- 2022.01.10
- 打診?赤外線?ドローン?最適な外壁調査法は?
みなさん、こんにちは。
今回は、多くの法定点検の経験をもとにドローンによる建物の外壁調査について紹介したいと思います。
ドローンを活用したサービスでみなさんが一番はじめに思い浮かぶのは、おそらく空撮や農業だと思いますが、実は今年、点検業務におけるドローンの利用が飛躍的に拡大したことをご存知ですか?
特にインフラ点検においては、2022年の3月に国土交通省発行の飛行マニュアルにおいて改定が行われ、都心部などの人口集中地区(DID)における点検も包括申請での実施が可能になりました!
今までは街中でドローンを使った点検を行う際は、毎年国土交通省に操縦者や機体登録をしていても、必ず点検前に別途で必要な書類を用意の上、申請を行う都度申請が必要でした。
それが今回の改定により、1年に一度ドローンの飛行に関する包括申請を行うことで、その年度中は都度申請をせずに何度でもドローンで点検を行うことが可能になりました!
つまり、点検業務におけるドローンの活用が農業と同程度、もしくはそれ以上に普及し始めていることを意味しているんです!
さらに、これは今回ご紹介する外壁調査においても大いに関係します。
これまで外壁調査を行う際は、建物に足場を組むあるいは作業員がロープで上から吊るされることにより、外壁を専用の棒で1枚ずつ叩いて劣化具合を調べる「打診調査」が一般的でしたが、平成20年4月に建築基準法が改正され、特定建築物においては竣工から10年経過した際に、法定点検(通称、12条点検)を実施することが義務付けられるようになりました。
法定点検は全面打診等により行う必要があり、この「全面打診等」には赤外線撮影による調査も含まれています。
これをきっかけに打診に比べてコストや手間が大幅に削減できることから、赤外線撮影による外壁調査が急速に普及し、昨今のドローンによる調査の実現の礎となったのです。
今回はそんなドローンによる建物の外壁調査の方法やメリット、デメリットを紹介していきます。
1. ドローンによる外壁調査の方法
ドローンによる外壁調査はどのようにして行うのでしょうか?
基本的には、通常の赤外線カメラを用いた調査とほぼ同じやり方であり、建物の外壁を赤外線と可視で同時に撮影し、赤外線画像において温度変化の見られる箇所を浮きやひび割れなどの劣化箇所として判断します。
ただ、通常の赤外線カメラによる調査と異なっているのは、ドローンの場合は赤外線カメラでは写せないような高層階の外壁も調査が可能であるということです。
通常、赤外線カメラでの撮影は、撮影場所と外壁の間にできる角度がある一定の範囲内でなければ、温度変化が見えにくくなり、精度が下がってしまいます。
そのため、高所部を撮影する場合は隣接している建物などに立ち入って行う必要があります。
一方、ドローンの場合は高所まで上昇することが可能なため、高層階の調査も赤外線カメラよりスムーズに実施することができます。
2. ドローンによる外壁調査のメリット
次に、ドローンによる外壁調査のメリットについて説明します。
はじめに挙げられるのは、コストが安いということです。
先にも述べましたが、人員によるロープ打診あるいは足場を組むことによる打診は、危険を伴うため、それに応じてコストも多くかかってきます。
一方ドローンの場合は、人が調査場所まで上る必要がないため、人件費が削減できます。
コストは建物の立地条件などによって多少変動しますが、人員の場合に比べて3分の1から4分の1程度の費用で実施することが可能です。
さらに、ドローンの調査は人員での場合に比べて短期間で行うことができます。
一般的に人員による打診の場合、1日に調査可能な面積の上限は、250~300㎡といわれていますが、ドローンの場合は1日に調査可能な面積の上限が、1,000~1,200㎡(会社によって多少差があります)であるため、短期間かつ低コストで調査が行えてしまいます。
3. ドローンによる外壁調査のデメリット
ここまでドローンでの外壁調査におけるメリットを説明してきましたが、ドローンでの外壁調査にはデメリットもいくつかあります。
はじめに挙げられるデメリットは、天候に大きく影響されるということです。
これは外壁調査のみならず、ドローン全般におけることなのですが、その中でも外壁調査は最も大きく天候に影響される分野といえるでしょう。
一般的に、ドローンは雨の日は飛ぶことができませんが、曇りの日の場合は風が強くなければ農薬散布や空撮は問題なく行えます。
ところが外壁調査においては、曇りでもドローンが飛ばせない場合があるのです。
その理由は、外壁に温度変化が生じないためです。
通常、ドローンのみならず赤外線カメラを用いた外壁調査においても、外壁の温度に一定の変化が出て初めて赤外線での調査が可能になります。
晴れの日の場合は外壁に日射が当たるため、温度変化は比較的出やすいのですが、曇りの日の場合は、外壁に日射が当たらないほか、外気の温度も変化しにくいため、それに伴って外壁の温度変化も出にくくなってしまいます。
外壁の温度変化が出ない場合は、温度変化が出るまで待機しなければならず、下手すれば丸一日待機しなければならないということもあります。
このことから曇りでも温度変化が現れない日は、ドローンが飛ばせないということが起きます。
4. スカイロボットの外壁調査
スカイロボットでは、点検のコストを抑え品質を維持するため、気象条件や撮影確度など、これまでの経験から点検基準を設け、ドローンのメリットを最大限に活用した外壁調査を提供しています。
また、経験豊富なドローンのパイロットはもちろんですが、建築士資格や特定建築物調査員資格を保有しているスタッフを抱えています。
また、外壁調査の専門業者と提携しているため、打診調査や赤外線カメラによる撮影にも対応でき、お客様のニーズに沿った最適な調査を実施することが可能です。
外壁調査は実施したいけどコストが気になるという方は、一度ドローンや赤外線撮影での調査を検討してみてはいかがでしょうか?
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