国立公園でドローンは飛ばせるの?
2021.11.25みなさん、こんにちは。
昨今様々な場面で活用されているドローン。
その用途は日々拡大しており、農業やインフラ点検、建設現場、さらには屋内の設備の点検にまで及んでいます。
ただ、以上の分野での利用はあくまでも産業用ドローンの活用であって、そのような場面で利用する機会はそう多くはありません。
やはりドローンの最大の楽しみ方は、大自然の中を自由に飛ばせ、美しい景色を存分に撮影することのできる、空撮ではないでしょうか?
しかし、近年ではドローンの飛行による騒音や野生動物の生態系への悪影響などの観点から、多くの国立公園においてドローンの飛行において一定の規制があります。
また、中にはドローンの飛行自体を禁止している国立公園もあります。
今回は、そんな国立公園におけるドローンの飛行の規制や禁止について、日本と海外で比較していきたいと思います。
1. アメリカ
画像はグランドキャニオン国立公園(アメリカ合衆国アリゾナ州)
はじめにアメリカの事例をご紹介します。
アメリカでは2014年6月以来、すべての国立公園においてドローンの飛行が禁止されています。
ドローン飛行が禁止になった背景としては、安全性の問題や騒音などによる他の観光客への迷惑、野生動物への悪影響などが挙げられます。
また、ドローンによる事故も問題とされており、過去にイエローストーン国立公園では、小型ドローンが間欠泉に墜落する事故が発生しました。
以上のような観点から、アメリカの国立公園ではドローンの飛行が全面的に禁止されており、違反すると6ヶ月以下の懲役もしくは5,000ドル(約50万円)以下の罰金またはその両方が科せられます。
2. ヨーロッパ
画像はプリトヴィッツェ湖群国立公園(クロアチア)
続いてヨーロッパですが、ヨーロッパはアメリカに比べてドローンの規制は緩く、趣味の範囲での空撮やドローンレースなどでの飛行は、申請手続きをせずに行うことが可能です。ただし、すべて自由に飛ばせるわけではなく、一定のルールに従って飛ばさなければいけません。
細かいルールは国によって異なるため、飛ばす場合はその国の飛行ルールをしっかりと確認する必要があります。
また、国立公園内での飛行は原則禁止されていますが、場所によっては事前に申請すれば飛行可能な箇所もあります。
申請すれば飛行可能な場所の例としては、イギリスのニューフォレスト国立公園が挙げられます。
さらにスペインにおいては、AESA(スペイン航空安全機関)から飛行許可が下りれば、すべての国立公園においてドローンを飛行させることが可能です。
3. アフリカ
画像はキリマンジャロ国立公園(タンザニア)
お次はアフリカです。
アフリカといえば、サバンナ(正確にはセレンゲティ国立公園)やキリマンジャロ(キリマンジャロ国立公園)、ビクトリアの滝(ビクトリア・フォース国立公園)など有名な国立公園が数多く存在しますが、アフリカでのドローン飛行の規制はどうなっているのでしょうか?
残念ながら現在はアフリカにおいても国立公園内でのドローンの飛行は原則禁止されています。
その中で、ボツワナにおいては観光客が事前に飛行申請を行い許可が下りれば、一部の国立公園での飛行が可能です。ただし、公園内の野生動物の生態系に悪影響を与えるような飛行をすれば、最大470ドルの罰金が課されます。
また、ケニアにおいても事前にCAA(民間航空局)に事前に飛行申請を行えば国立公園内での飛行が可能ですが、こちらも野生動物の生態系を脅かすような飛行をすれば、最大490ドルの罰金が課せられます。
4. 日本
画像は日光国立公園(栃木県)
最後に、日本の国立公園の事例をご紹介します。
日本においても他国と同様、多くの人が利用する国立公園でのドローンの飛行は様々なトラブルや事故の原因となるほか、希少な野生生物の生態に悪影響を及ぼすことが懸念されています。
その一方で、日本の国立公園におけるドローンの飛行は全面禁止ではなく、各国立公園内において独自の注意事項や飛行禁止場所が設けられています。
日本の国立公園でドローンを飛ばすためには、環境省や公園を管轄している事務所などに申請する必要があります。
例えば、北海道の阿寒摩周国立公園ではドローンの飛行において、以下のような注意事項が挙げられています。
-
利用者が集中する場所、時間帯を避けること
-
野生生物への接近を控えること
-
回収可能な場所で利用すること
-
前もって土地所有者に連絡をすること
※参考:環境省
また、日光国立公園では以下のような注意事項が挙げられています。
- 事前に土地等の管理者および所有者に確認すること
- プライベート空間や利用者が集中する場所での使用は控えること
- 希少な野生生物が生息する場所での使用は控えること
- 環境省が所管している土地での使用は事前に問い合わせること
※参考:環境省
2つの事例を見てみると、いずれも国立公園でドローンを飛ばす場合は、事前の連絡が必要であり、野生動物などの生態系や他の観光客に影響を及ぼす飛行は避けることが共通して記載されています。
ただ、規制や注意事項は各公園において異なるため、実際にドローンを飛ばす際は事前に環境省や公園の管理事務所に問い合わせて確認してみてくださいね。
5. まとめ
いかがでしたか?
国立公園におけるドローンの飛行規制は各国様々ですが、どの国においても共通しているのは、野生動物の生態系への悪影響や他の観光客とのトラブル、事故などが懸念されているということです。
日本のみならず海外においても、国立公園でドローンを飛行させる場合は、必ずその公園の管理事務所や自然保護事務所、あるいはその国の航空局などに問い合わせをして規制内容や注意事項を確認しましょう。
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